「力を抜きましょう」と言われて、
その通りにしているつもりなのに、声が楽にならない。
むしろ、声がふにゃっとしたり、息が続かなかったり。
そんな経験はありませんか。
Tom’s Voiceでは、ここに少し違う見立てがあります。
ただ力を抜くだけでは、よい発声につながりにくいことがある。
大切なのは、必要な支えを保ちながら、不要な緊張をほどいていくことです。

目次
1曲歌うだけでヘロヘロだった頃の話
私自身、声楽レッスンを始めた頃は、
1曲歌うだけでヘロヘロになるくらい身体がガチガチでした。
当時は、まさか自分が舞台で人前に歌えるようになるなんて、想像もしていなかった。
それくらい、身体の使い方が分からなかったのだと思います。
今振り返ると、
「支えること」と「力むこと」の違いが分かっていなかった。
ここが一番大きかったように感じます。
「脱力」と「弛緩」は似ているようで、少し違う
脱力という言葉は便利です。
ただ、受け取り方によっては、
ただ力を抜けばいい
支えもなく、ふにゃっとすればいい
と誤解されやすいところがあります。
でも発声には、ある程度の土台が必要です。
必要な土台まで抜いてしまうと、声は不安定になりやすい。
一方で Tom’s Voice が大切にしたい「弛緩」は、
だらんとすることではありません。
弛緩とは、
呼吸が滞りなく通ることで、身体が結果としてゆるんでいく状態。
そのニュアンスを、ここでは大切にしたいと思います。
発声で「使う場所」と「固めない場所」
発声では、どこもかしこも力を入れればいいわけではありません。
Tom’s Voiceでは、
使う中心は「股関節から鳩尾(みぞおち)まで」と考えています。
ただし、ここも「力を入れる場所」というより、支えが生まれる場所として捉えたい。
支えが下で育つほど、
上半身は無理に固めなくて済みます。
一方で、固めやすい場所もあります。
肋骨
首
頭
足
共鳴する場所
ここでひとつ、イメージとして。
支えの場所以外は、力を足して固める場所というより、響きが広がる空間として扱いたいところがあります。
バイオリンで言うなら、弦を押さえる指先だけが仕事をしていて、音の“響き”はボディ(胴)の空洞がつくります。
ボディをぎゅっと握ってしまったら、音は鳴りにくくなります。
声も似ていて、肋骨や首、頭まわりは「押す場所」ではなく、共鳴するボディとして、リラックスした余白を残しておくほうが通りやすいことがあります。
逆に、ここに余計な力が入ったまま
はっきり話そう、通る声を出そうとすると、
特に首まわりや喉の近くが締まりやすくなります。
その結果、声まで締めたような響きになり、
通る声・届く声にはなりにくい。
そんな流れが起きることがあります。

弛緩とは、呼吸が通ることで起きてくる
このブログで言いたい弛緩は、
「ただだらけること」ではありません。
もう少し身体の言葉で言うなら、
呼吸ができること
身体に息を与え、また受け取れること
吐く・吸うの流れが滞りなく行えること
この状態が整うことで、
身体が自然にゆるみ始める。
それが弛緩の感覚です。
“力を抜こう”としなくても、
呼吸の流れが通れば、抜けていくものがある。
そんな順番です。
入口としての「鳩尾腹式呼吸」
読者の入口として、ここで一つだけ。
鳩尾に意識を向ける呼吸は、感覚を整える助けになります。
鳩尾に向けて吐く。
吐いたあと、骨盤を満たすように吸い込まれる。
丹田や股関節まわりまで呼吸が入る感覚が出てくる。
この流れによって、
上ずった力が少し抜けて、
首や喉ではなく、身体の中心に支えが集まりやすくなることがあります。
頑張って深く吸う必要はありません。
むしろ、吐くことで通り道ができてくる。
そのくらいの感覚で十分です。
ここでひとつだけ。
呼吸は不思議で、吐けた分だけ、自然に入ってくることがあります。
先に「出せた」とき、身体は安心して「受け取れる」。
だから、無理に吸おうとするより、吐く息を整えるほうが、結果として深くなる人もいます。
まとめ|「脱力」ではなく、支えのある弛緩へ
「力を抜けばいい」と思ってもうまくいかない人は多いです。
私自身も、昔は1曲でヘロヘロになるほど力んでいました。
発声で大事なのは、全部を抜くことではなく、
支えと弛緩の両立。
股関節から鳩尾までは、力む場所ではなく、支えが生まれる場所。
その支えがあるからこそ、首や喉まわりは不要に固めずに済みます。
弛緩とは、全身がだらけることではなく、
呼吸が通ることで自然にゆるんでいく状態。
吐けた分だけ、自然に入ってくる。
呼吸には、そんな順番が起きることがあります。
無理に吸おうとするより、吐く息が整うことで、結果として深くなる人もいます。
脱力だけを目指すのではなく、
支えのある弛緩を思い出していく。
それが、通る声・届く声につながっていくのかもしれません。
声を出す前に、少しだけ立ち止まってみませんか。
声の状態を一度、確認してみましょう。
Tom’s Voiceでは、
声を「鍛える」前に、声が生まれる身体に戻ることを大切にしています。
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