「声がこもる」「響きが届かない」
そう感じるとき、私たちはつい喉や口の使い方を気にしてしまいます。
でも実は、声の通り道はもっと下――骨盤と背骨から始まっているのです。
姿勢シリーズの第3回では、
身体の中心を通る“声の通り道”を整えるためのポイントを、
呼吸と支えの関係からやさしく解説します。
【1. 骨盤が立つと、声の土台が安定する】
声を支える「土台」は、まさに骨盤にあります。
骨盤が後ろに倒れると背中が丸まり、横隔膜が押しつぶされて呼吸が浅くなります。
逆に、骨盤が自然に立つと――
背骨が上に伸び、呼吸の通り道がスッと縦に開いていきます。
良い骨盤の位置とは、「力を入れて立てる」ではなく、
下腹の支えで静かに支えられている状態のこと。
お腹を張るわけでも、腰を反るわけでもなく、
“体幹の真ん中に一本の軸が通る”ような感覚です。
前回の記事でも触れたように、
上半身のこわばりが抜けて下腹に力が集まると、
自然と骨盤は立ち、上体が軽くなります。
そのとき、声のための「土台」が整っているのです。

【2. 背骨は“声の通り道”そのもの】
骨盤の上には、24個の背骨が縦に連なっています。
その背骨こそ、声の通り道=呼吸の通り道です。
背骨がしなやかに動くと、息は下から上へと滑らかに流れ、
声は喉を通る前にすでに「通り道」ができています。
逆に、背骨のどこかが固まると、そこが“声の詰まり”になります。
たとえば:
腰が硬い → 息が下から上に上がらない
胸椎が硬い → 声が胸で止まって響かない
首が前に出ている → 声が喉に引っかかる
つまり、背骨が柔らかく動くほど、
声は“下から上へ”“地から天へ”通っていくのです。
支え呼吸で下腹が安定していれば、
背骨は自由に伸び縮みできます。
その伸び縮みこそが、息と声をつなぐ橋になります。

【3. 骨盤と背骨をつなぐ“支えの感覚”】
骨盤と背骨の関係は、「根っこ」と「幹」のようなものです。
骨盤が安定していれば、背骨は自由に伸びる。
背骨がしなやかであれば、呼吸と声が自然に流れる。
このとき大切なのが、力ではなく“流れ”を感じること。
息を吐くとき、骨盤の底(丹田のあたり)から
背骨を伝って息が上へ抜けていくイメージを持ってみましょう。
その「縦の流れ」を感じると、
声は喉を頑張らせなくても自然に前へ飛びます。
まるで、体の中を通る“音の道”が開いたような感覚です。
Tom’s Voiceのレッスンでは、
この「骨盤→背骨→頭頂」までをひとつの“呼吸ライン”として感じてもらいます。
これが支え呼吸の中核であり、
声を無理なく通すための“静かな力”なのです。
【まとめ:声は骨盤から始まり、背骨を通って響く】
骨盤が立つと、呼吸の軸ができる
背骨がしなやかに動くと、声の通り道が開く
骨盤と背骨をつなぐ支えが、声の流れを導く
今日からできる一歩は、
座ったままでも「骨盤を立てて息を吐く」こと。
お尻の下にある坐骨(ざこつ)を感じて、
その上に背骨をスッと積み重ねるようにしてみてください。
それだけで、声が下から上へ流れる“通り道”が感じられるはずです。
【次回予告】
『声と姿勢④:姿勢が変わると心が変わる ― 声と心のつながり』では、
姿勢の変化が心のあり方や声の表情にどう影響するのか、
“声と心の通い道”という視点からお話しします。
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